製造業の経営力を向上させる計画とはどんなもの?

 

考えれば考えるほど
ものづくり企業経営の理解が深まるテーマです。

 

つまりお客さまの喜びと
従業員の生活の安定を
同時に大きくしていくには
何が必要なのか?

 

そのための計画を国に対して宣言する。

 

それが経営力向上計画を申請する意味合いです。

 

ぜひその意味を理解して計画を考えて
そして以下の書き方を意識して
記載を進めていただければ幸いです。

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製造業の経営力向上計画申請書の書き方(記載例)

今回は特に製造業にフォーカスをあてて説明をして行きます。

まずは中小企業庁に掲載されている製造業専用の記載例を参考にしながら説明を加えます。

>>こちら<<をご参考ください。

 

経営力向上計画の申請書の正式名称は、『経営力向上計画に係る認定申請書』です。

基本的なフォーマットはワード様式(経済産業省のHPからダウンロード可能)です。

実際の書式はWord形式で、経済産業省のHPからダウンロード可能です。

関連するサイトはこちら> 経営力向上計画に係る申請書様式類

 

それでは早速、記載例を元に項目を追ってみましょう☆

ただし、後から下記のエクセル形式の申請書の書き方を参考にしてさらなる理解を進めて下さい。
関東地方、中部地方、関西地方など所在地によっては、よりシンプルに申請できる場合もあります。

関連情報>
経営力向上計画認定申請書の書き方(エクセル)

 

 

経営力向上計画に係る認定申請書(様式1)の1ページ目

経営力向上計画の申請書の書き方を考える(記載例)

 

『経営力向上計画に係る認定申請書』の1ページの冒頭から記入箇所が現れます。

 

宛先

申請書式の宛先には『主務大臣名』殿 と書いてあります。

これを実際には、それぞれ適正な提出先に変更する必要があります。

 

製造業での記載例では『○○経済産業局長』となっています。

 

ですが、本来の提出先かどうかは製造業であってもわかりません。

 

と、言うのは製造の対象が
食品であるなら地域の農政局
薬関係であるなら厚労省
酒類であるなら国税局
 など
製造対象によって提出先が異なるからです

そのため、記載前に下記の2点の確認をお願いします。
まずは中小企業庁のHPに掲載されている
『事業分野と提出先』のエクセルをダウンロードします

HPは>>こちら<<
※ ページの真ん中あたり

そして提出先を確認します
 

確認したら提出先に電話連絡をして
再度、口頭で確認をします

 

実はここまでしないと危険です

申請して何ヶ月も経ってから
『提出先が間違っているので送り直して下さい』と
通達が来たこともあります

国からしたら認定には違いありませんが
こちらからするとあまりにも機会ロスが大きすぎます。

 

一方で、宛先に氏名までは必要ありません

 

住  所

これはもちろん御社の所在地です。
住所は必ず登記簿と同じ書き方で記載ください。

 

名称及び

ここは会社名です。
もちろん㈱とか㈲とか略さずお願いします。

 

代表者の氏名

役職と氏名を記載します。

もしもこの箇所を自筆で自署した場合
押印の省略が出来ますが
押しておいた方が格好はいいと思います。

それでは本題の2ページ目に移ります。

 

1 名称等

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

 

ここはあまり迷わない項目ですので
どんどん記載を進めてください。

 

事業者の氏名又は名称

法人名あるいは事業者名を記載します。
もちろん略さずお願いします

代表者名(事業者が法人の場合)

対象が法人の場合は代表者名を書きます。
役職名と一緒に記載します。

 

資本金又は出資の額

記載例では万円単位で記入されています。

 

常時雇用する従業員の数

正社員の人数に、1年以上引き続き雇用するパート・アルバイト・期間社員などの人数を加えた数を記載します。
そのため社長や取締役などは人数に加算しません。

 

法人番号

こちらは国税庁が運用している法人番号の検索サイト>>こちら<<を開いて自社を検索・記載します。

 

2 事業分野と事業分野別指針名

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

ここも調べながら記載を進めます。

 

事業分野

こちらは当社が属する事業分野です。具体的には日本標準産業分類の中分類と細分類について、そのコードと一緒に記載します。

日本標準産業分類の中分類と細分類については>>日本標準産業分類項目一覧<<をクリックしてまずは中分類を選択。その後にある【細】をクリックすると細分類名が表示されるので中味を確認してください。そしてば【説明】をクリックすると細かい説明が見れるので、自社がどの細分類かを探し出すことができます。

 

事業分野別指針名

ここは認定に係る重要なポイントです。

こちらには当社が属する事業分野に、事業分野別指針が設定されているのであれば指針名を記載します。

今回は製造業なので、間違いなく『製造業』となります。

そのため、『製造業に係る経営力向上に関する指針』と記載してください。

 

3 実施時期

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

こちらは計画スタートの年月をまず決めてから
①3 年(36 か月)
②4 年(48 か月)
③5 年(60 か月)
のいずれかの期間を設定して記載します。

 

4 現状認識

製造業の経営力向上計画申請書の書き方(記載例)を考える

ここからが経営力向上計画の本筋となります。

当社の取り巻く現状について下記の3点について表現します。

 

① 自社の事業概要

文字通り、自社の事業概要についての記載です。

文章は2つ

『○○の製造を行う。』か『○○の加工を行う。』

もしも商品が複数あるなら、売上割合を併記すると理解をいただけそうです。

『事業分野別指針における規模は○○に該当』

こちらは事業分野別指針に解説してある事業規模を設定する意味合いがあります。
これによって後に出てくる『5 経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標』や『6 経営力向上の内容』で選択すべき指標や施策のノルマの数が変わります。

 

② 自社の商品・サービスが対象とする顧客・市場の動向、競合の動向

こちらでは、当社の商品・サービスが関係する顧客、市場、そして競合の動向を記載します。

製造業の記載例では、
○ 簡単な沿革と経営方針
○ 取引先数とその推移
○ 競合と比べた当社の強み、弱み
が記載してあります。

もしも他のトピックスを想像するなら。。。
業界のトレンド、取引先の動向、市場規模およびシェアなどが追加可能です。

つまり当社の取り巻く外部環境について
簡単に分かる説明が求められているということ。

 

③ 自社の経営状況

逆にこちらでは内部環境、つまり当社についての説明です。

記載例を見ると
○ 売上高と営業利益の推移
○ 増減の原因の推察
を解説していますが、実際には
ローカルベンチマークという考え方を意識した表現が必要になります。

もし詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
【関連情報】>ローカルベンチマークとは?~中小企業を診断する仕組み~

どんな表現か、そしてどこまで詳しく記載すればいいの迷うところです。
そこで一部の経済産業局がエクセル様式で上手に表現してくださっています。

【関連情報】>>経営力向上計画認定申請書の書き方(エクセル)<<

基本的にこの表現内容であれば標準的に問題ないかと。

 

5 経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

この項目は、これから事業拡大を進めるにあたり
どの指標に注目していくか?を記載します。

 

「指標の種類」には、製造業の事業分野別指針で決められている3指標からひとつ選択してください。

 

指 標 3年計画 4年計画 5年計画
①労働生産性 +1.0%以上 +1.5%以上 +2.0%以上
②売上高経常利益率 +3.0%以上 +4.5%以上 +5.0%以上
③付加価値額 +1.0%以上 +1.5%以上 +2.0%以上

 

事業形態に応じて適切な指標をひとつ選択し
計画期間に応じた目標値をクリアする必要があります。

ここは法律要件です。
これをクリアできない計画は認定されませんので
気をつけてくださいませ。

 

また、労働生産性は以下の算式を採用します。

労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量
※ ただし 労働投入量=労働者数又は年間就業時間

 

6 経営力向上の内容

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

経営力向上計画の記載としてはこの内容がメインです。

つまり経営力向上計画の施策を記載します。

○ 『実施事項』には『4 現状認識』などに記載した内容をしっかり踏まえたうえで具体的に記述します。
○ 事業分野別指針が定められている場合には、各実施事項に毎に『事業分野別指針の該当箇所』に記号を記入してください。
○ もしも実施事項が新事業活動である場合は、『新事業活動への該非』の欄に『○』を記入してください。なお、新事業活動とは、新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動をいいます。
○ 項目の列が少なくて書き足りない場合は列を追加して記載してください。
○ 実施期間が終了した時には、記入した実施事項の実績・状況、および目標の達成度合などの報告が必要な場合があります。

ここで最重要な法律要件があります。

それは、事業規模に応じて下記の製造業の指針項目を実施事項に織り込む必要があります。

製造業の指針は以下のとおり

【自社の強みを直接支える項目】
イ.従業員等に関する事項
(1)多能工化及び機械の多台数持ちの推進
(2)継続的な改善提案の奨励
ロ.製品・製造工程に関する事項
(1)実際原価の把握とこれを踏まえた値付けの実行
(2)製品の設計、開発、製造及び販売の各工程を通じた費用の管理
ハ.標準化・知的財産権等に関する事項
(1)異なる製品間の部品や原材料等の共通化
(2)暗黙知の形式知化
(3)知的財産権等の保護の強化
ニ.営業活動に関する事項
(1)営業活動から得られた顧客の要望等の製品企画、設計、開発等への反映
(2)海外の顧客に対応出来る営業及び販売体制の構築
(3)他の事業者と連携した製造体制の構築による受注機会の増大

【自社の強みをさらに伸ばす項目】
ホ.設備投資並びにロボット及びITの導入等に関する事項
(1)設備投資
(2)ロボットの導入または増設
(3)ITの導入
(4)設備投資等が製品の品質および製品一単位当たりの製造費用に大きな影響を及ぼす分野に関する留意事項
  (鉄鋼、化学、電子・電機、重電、航空・宇宙、医療機器等)
ヘ.省エネルギーの推進に関する事項
 エネルギー使用量の把握、設備の稼働時間の調整及び最適な管理の実施、省エネルギー設備の導入、エネルギー管理体制の構築 等

上記の製造業の指針の中から
事業規模によって経営力向上の内容に織り込む必要があります。

具体的には下記を包括する必要があるということ。
 

事業規模 イ(1)~ニ(3)から ホ(1)~ヘから
小規模製造業(20人未満) 1項目以上 1項目以上(推奨)
中規模製造業(20~300人未満) 2項目以上 1項目以上
中堅製造業(300~2000人以下) 3項目以上 2項目以上

 

なお、本件も法律要件です。
これをクリアできない計画は認定されませんので
あしからずご了承ください。

 

7 経営力向上を実施するために必要な資金の額及びその調達方法

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

○ 計画の実施に当たって必要な資金の額と、その使途・用途を記入します。
○ 『実施事項』『6 経営力向上の内容』の実施事項ア、イ、ウ等と関連性を記号で記入します。
○ 同じ使途・用途でも、複数の資金調達方法が必要な時には、その方法ごとに項目を分けて記入します。
○ 『資金調達方法』には、自己資金、融資、補助金その他等、調達方法を書き込みます。
○ 項目の列が少なくて書き足りない場合は列を追加して記載してください。

8 経営力向上設備等の種類

経営力向上計画の申請書の書き方を考える

○ 計画に基づいて経営力向上設備等を取得する場合に、その対象設備情報を記入します。
○ 『実施事項』『6 経営力向上の内容』の実施事項ア、イ、ウ等の関連性を記号で記入します。
○ 取得年月には、納品される予定の年月を記載してください
○ また、この計画認定によって活用を期待している支援措置に○を記載
○ 経営力向上設備等を取得する時は、中小企業等経営強化法施行規則第八条各号に掲げる要件に合致することを証する証明書を入手して添付する必要があります。
○ 項目の列が少なくて書き足りない場合は列を追加して記載してください。

 

さて、いかがだったでしょうか?

製造業の記載内容はまだとても
理解し易い業種かと思います。

ぜひ、さらに踏み込んだ計画を作成して
会社の将来の設計図を
国から申請いただくスタンスで
取り組んでいただければ幸いです。

 


一方で強い会社をつくるためには『職場を変える空気』づくりが必ず必要となります。

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