経営力向上計画の申請書の書き方を考える前に、やはり我が国がどのような法律をつくって、今回の計画策定のお話しになるのか?を読み解く必要があると思います。
一方で中小企業を支援する法律って結構昔からあるんです。
それが時代と共に少しづつ変わってきたんですよね。
ま、今回もその流れの中。
そのため、今回はその法的根拠になる『中小企業等経営強化法』についてもう少し踏み込んだ解説を進めていこうと思います。
中小企業等経営強化法の歴史
近年、自民党が政権を奪還してから主な政策として掲げてきたアベノミクス。
もちろん、我が国の景気対策が軸となっています。
それを実現させるにはまず、円安で大企業に元気になってもらい、その後、中小企業も経営力を向上させて元気になってもらう。そしてみんな給料が上がってハッピー!と、おおまかにはこんなシナリオだと思います。
ま、そんなに簡単にはいかないのが現実なのですが。。。
とは言っても、別にこれまで中小企業支援策が全くなかったわけではないんです。
実は、中小企業等経営強化法というのは、もともとは「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」=通称:中小企業経営革新支援法と呼ばれていた法律だったんです。
中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律は。。。
『中小企業の創意ある成長発展が経済の活性化に果たす役割の重要性にかんがみ、創業及び新たに設立された企業の事業活動の支援並びに中小企業の経営革新及び異分野の中小企業の連携による新事業分野開拓の支援を行うとともに、地域におけるこれらの活動に資する事業環境を整備すること等により、中小企業の新たな事業活動の促進を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする』日本の法律である。
旧題は中小企業経営革新支援法で、平成17年4月13日に新事業創出促進法、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法を統合した。
ホント、法律用語が並ぶと漢字が多いためか、なぜか読む気がうせてしまうのは私だけでしょうか?
○ 創業・新規設立
○ 新たな事業への挑戦
○ 異分野の連携
の3つを主に支援するための法律だったわけです。
それが今回、中小企業等経営強化法という法律の名前と同時に、下記のような文面に変わりました。
『中小企業等の多様で活力ある成長発展が経済の活性化に果たす役割の重要性にかんがみ、創業及び新たに設立された企業の事業活動の支援並びに中小企業の経営革新及び異分野の中小企業の連携による新事業分野開拓並びに中小企業等の経営力向上の支援を行うとともに、地域におけるこれらの活動に資する事業環境を整備すること等により、中小企業等の経営強化を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする』
太字部分が変更点です。
つまり、中小企業経営革新支援法時代の3つに加えて
○ 経営力向上
も追加支援します!
ってのが今回の法律改正のメインというわけです。
新しいことだけでなく、やっと王道を認めてもらえたわけですね。
中小企業等経営強化法の基本方針の概要について
平成28年7月において中小企業庁から基本方針の概要について説明文書が出ましたので、これを資料として少し見ていきましょう!
ここには実は、経営力向上計画策定にとても重要な項目が含まれています。
つまり経営力向上とは、何のことを指すのかが書いてあるのです。
経営力向上とは、『経営資源を十分効果的に活用すること』であり、なおかつ具体的には下記の4つだという説明になっています。
○ 人材育成
○ 財務分析
○ マーケティング
○ システム活用
最低限、これらのどれかは意識して計画に入れておく必要がありそうです。
また、『十分効果的に活用』なのですから、相当程度、成長が見込めなければなりません。
さらに財務分析は主に上記の5つと重複しますが、ローカルベンチマークの6つの財務指標は押さえておく必要がありますね。
『しかし、EBITDA有利子負債ってなんやねん!』って方は下記をチェック☆
関連情報>EBITDA有利子負債倍率とは?~まずEBITDAの読み方から理解する~
ここは、労働生産性を5年間で2%以上である必要があると語られています。
ただし、業種や事業規模等によって難しい場合は適宜設定可能との解釈でいいでしょう。
配慮すべき事項として
○ 国内の事業基盤の維持
○ 雇用への配慮
○ 事業者自らのモニタリング
○ 外部専門家の活用
○ 会計基本要領の活用推進
○ 小規模事業者への配慮
などを挙げています。
事業分野別指針として、下記の4項目で構成して規定する予定とのこと。
(1)現状認識
(2)経営力向上に関する目標
(3)経営力向上に関する内容及び実施方法
(4)事業分野別経営力向上推進業務に関する事項
これは企業の経営策定を支援する、認定支援機関側は、ローカルベンチマークを活用しましょう!とのお話しです。
6つの財務情報と4つの非財務情報から構成されます。
詳しくはこちら>ローカルベンチマークとは?~中小企業を診断する仕組み~
こちらは今回新たに設置された機能で、事業分野別経営力向上推進機関として認定された機関のお話しのようです。
つまり、製造業界でいう工業会とか、そういった業界団体が認定を受けてはじめて、事業分野別の指標を検討する仲間入りができるようですね。
中小企業等経営強化法のスキーム

「経営力向上計画」は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。
また、計画申請においては、経営革新等支援機関のサポートを受けることが可能です。
中小企業等経営強化法まとめ
だいぶ理解は進んできたものの、法律って奥深いものですね。
まだまだディティールが理解が足りない気がします。
ま、どこまで潜ってもやってみなければわからないことが多い。
そのため、実際に作ってみて、事例を掲載したいなと考えています。
それでは今日はここまで
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
いつも長文・乱文を最後まで読んでくださりありがとうございます♪
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